建物に1匹クマゼミがとまっていたので捕まえました。
ごめんね、ちょっとだけ遊ばせてと心の中で蝉に話しかけながらギューギューわめく
蝉をつまんで持ち帰りました。わめく蝉の声とともにドアを開けると猫たちはきいたこともない声に
とまどって家具の後ろに隠れて小さくなったり(C)後ずさりしたり(D)半なき顔で毛をバサバサにさせて威嚇していたりしていました(A)
こんな筈じゃなかったのになあ、想像じゃ皆で蝉のにおいを嗅いだりしていたのにと思いつつ
猫たちのはりつめた空気を感じ取って都会の猫たちめと思いながらもう蝉を逃がそうかなと思ったけれど
わたしがもうちょっと蝉を触っていたかったから、悪いけれどもうちょっと家にいてもらうことにしました。
蝉を耳元ではばたかせて顔に羽から送られる微風をおくったりかすかに甘いけれどちょっとツンとくる
においをかいだり体の裏側をひたすら見続けたりしていたら蝉をとってからの微笑で全て無言で行われる
わたしの行動を隠れながらみていたTにおびえた声で、やっぱり野生児なんだねと言われたので
たぶん結構そうだろうねと心の中で返事をしました。
最初は猫たちもびっくりしつつも遠くからずっと蝉から目を離すことなく見ていたけど、そう悪いものではないと
思ったのか次々と見にきはじめてにおいをかいだりし始めました。
他の猫たちよりもだいぶ蝉に興味がなさそうに見えたあれちんによく見せてやろうと蝉を顔に近づけると
表情をかえずいきなり口をあけてパクっとあたりまえのように食べようとしたので急いで手をひっこめて
ベランダに出て、お礼を言いながら蝉を逃がしました。
あれちんは蝉がいなくなってから冒険家の顔になって何もないところのにおいを嗅ぎ回り、普段なんでも
ないわたしの靴や小さいほうきやゲームのコントローラなんかに猫が知らない生き物にさわるように軽く
叩いたり一瞬だけにおいをかいでみたりしていました。
ひさしぶりにクマゼミを触ってこんなに力強かったっけ?と驚きました。
手の先が木にしがみつくためにクマデのようになっているのだけどその手で体にとまらせて歩かれたら
蝉の指サイズに歩いた部分だけ皮がむけていました。これじゃあ蝉をつかまえまくっていた頃は
子供少女の肌で相当柔らかい筈だから気付くことはなかったけどボロボロの手だったのかなあと思いました。
それとも、柔らかかったけど生き物さわりすぎで強かったのかなあ
今カブト虫メスと遊んだら血がでそうだよ