4、5

阪神電車に乗るため地下鉄で梅田にむかっていると車内にかわいい女が居たので
見ていたら乗り過ごしてしまう。
一人大分だらだらしてメールでぼちぼち連絡を取り合いつつ目的の駅につくと
Lちゃんが迎えにきてくれていて、たぶん2年ぶりぐらいに逢ったと思うのだけど
奇麗な娘になっていた。そう思ったので一声目に奇麗になったねと言うと、小さい駅に
響き渡る音量で『グヘヘ ゲギヒhshffihhhisihoiウォームffghhンック』と最後の方は
チューバッカの鳴き声そっくりに笑っていた。(Lちゃんはものすごく声が低く小さい時から
この笑い方)部屋につくとちょっとした汚部屋だったのである程度片付けた。
汚部屋の中に小さいカニとイモリとイモリの子どもと多めの植物が住んでいた。
お互い自分のことをしながらだらーっとしていてずっと喋ったり喋らなかったりしていて
動植物の話になった時に、前にテレビで見たバンクシアという花の蜜しか食さない変でバカな生き物
クロミツスイのおかしさをテレビの映像を思い出しながら説明していて、そうしていると当たり前に
頭の中がいろんなフクロミツスイだらけになってしまって可笑しくて可笑しくてたまらなくなり
ひとり静かにしつこく笑った。
クロミツスイは歯がないので攻撃できず研究者にされるがままで蜜を舐めとる時先客が鳥でも
じっと待ち天敵の蛇がくるとところかまわず仮死状態になり体温を下げて敵から見つかりにくくする。
クロミツスイはやもりのような足をしている。フクロミツスイは受粉を手伝い花のあるところに
行かなければならないけど空は飛べないため微妙にジャンプ力があり、ハムスターのように手放し
でかわいいといえる顔をしていない。
午前4時頃にLちゃんが突然彼氏にあげるクッキーを作り始めたのでしばらく観察した。
彼氏も植物好きらしく抹茶をいれて葉っぱの形クッキーを作っていたのだけど、まるでわたしが
作ったみたいな見た目が小汚いクッキーが次々と焼き上がり、お姉ちゃんたちだったらうまく
できるのに、、と哀しそうだったので道具を使わずに一緒に作ろう!と言って粘度細工みたく
作ると可愛いクッキーができたけど、Lちゃんは自分の指紋がいっぱいついていることに気づかず
ねりまくっていて、わたしは気づいていたけどどんなクッキーが焼き上がるか見たかったので
伝えないでいると指紋だらけのクッキーも焼くと指紋が消えていた。
奇麗にできたクッキーだけわけて失敗作のクッキーを食べながら、彼女に逢ってからずっと
気になっていた不思議な違和感オーラについて話してみると、もしかしたら昨日初体験をむかえたから
かもしれないという返事がかえってきて、言われるとまさにぴったりな答えだったので
処女じゃなくなった直後はあんなオーラ(形容し難い)を放つことができるのかとちょっと興奮し、
恋の相談か乙女ノロケかわからないものを聞いているうちに眠ってしまった。
お昼過ぎに起きると少し前に起きたLちゃんが作ったインスタントの炊き込みご飯がちょうど
炊きあがったので食べたがインスタント炊き込みご飯の素なので不味く、
二人でまずいまずい言いながら炊き込みご飯と蟹の餌のために買っていたシラスを全て食べた。
この日の翌日が彼女の19歳の誕生日だったのでプレゼントを買いに梅田に出る。
靴が欲しいと言ったので探したが素敵な物は見つからず結局阪急百貨店の中の園芸のお店で植物を
4種類買ってあげた。阪急の中に園芸のお店があるなんて知らなかったしお店自体も広かったけど
喪服やトイレやお歳暮たちに囲まれすぎてお店の外観がうもれてしまっている場所にあった。中に
入ると結構人が居て、皆一心不乱になめまわすように植物を見ていて全員いい人そうに見えた。
ひょっとこのお面をつけて昼間遊びに家に行き夕方帰るまでずっとお面をはずさずに遊び続けて
、お医者さんごっこの時ひょっとこ面顔で診察を受けていた姿(Lちゃんが医者役で怖かったらしい。。)
を思い出したと言われたが全く覚えていなかった。気持ち悪い子ども。哀れみの微風
そんなことをしてたのかと驚きながら栗パフェを食べて別れた。
淀屋橋にむかおうとしていたのだけど、かわいい女を見ながら歩いていたら今度は乗り過ごしではなくて
反対方向行きの電車に乗ってしまった



失敗クッキー(葉?)


かわいいパジャマにかわいいスッポンの頭蓋骨ネックレス


熱心に植物を選ぶ